■鋤崎古墳
文化財の発掘調査 1982年~1983年
西区今宿青木の低丘陵上につくられた前方後円墳です。古墳の規模と構造を調べるために発掘調査されました。
その結果、墳丘全長が62m、墳丘は3段につくられ、各斜面に葺石(ふきいし)、段の平坦面(へいたんめん)には埴輪(はにわ)列をめぐらせていることなどがわかりました。
また後円部の上部中央から、死者を埋葬する横穴式石室(よこあなしきせきしつ)が見つかりました。
横穴式石室は朝鮮半島に起源をもちますが、鋤崎古墳の石室は玄武岩の扁平な板石を積み上げてつくられた特殊な構造で、日本列島で最も早く作られたものです。
石室内からは、3本の遺体埋葬の痕跡(こんせき)と、死者に添えられ数多くの副葬品(副葬品)が発見されました。
このことから、古墳に埋葬された人々は、古代朝鮮と活発に交流した首長(しゅちょう)層と考えられます。
今宿には、鋤崎古墳のほか、若八幡宮(わかはちまんぐう)古墳・丸隈山(まるくまやま)古墳・今宿大塚古墳など、古墳時代にこの地域を統括した首長(しゅちょう)の墳墓が数多く残されています。
私たちの文化財を大切にしましょう
平成4年3月31日 福岡市教育委員会