大塚古墳

■大塚古墳

大塚古墳

大塚古墳

■大塚古墳(おおつかこふん):国指定史跡

 大塚古墳は、高祖山(たかすやま)からのびる丘陵上にある墳長64m、高さ6.5mの古墳時代後期(6世紀前半)に造られた前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)です。

 墳丘(ふんきゅう)は、東西方向に主軸をもち、盛土で2段に築造されています。その下段斜面は石で覆っています(葺石(ふきいし))。埋葬施設は未調査のため、明らかではありません。

 墳丘の周囲には、幅10m、深さ1.5mの周溝(しゅうこう)がめぐり(内溝)、溝の外には4mの土手(周堤(しゅうてい))が造られ、さらに幅5mの浅い溝(外溝)がめぐります。

 古墳全体は盾形の平面となり、外溝まで含めた東西方面の長さは約100mの規模をもっています。

 昭和52年(1977)の保存整備のための調査で、周溝の中から人物(武人)・馬などの形象埴輪(けいしょうはにわ)や、円筒(えんとう)・朝顔形埴輪(あさがおがたはにわ)が、また墳丘から須恵器(すえき)などが出土しました。

 今宿平野には、前方後円墳が13基確認されており、こうした古墳は地域を治めた首長の墓と考えられています。

 整然とした墳丘を今に残す大塚古墳は、今宿古墳群における首長墓の一つとして、北部九州の古墳文化を考える上で重要な位置を占めています。

平成27年3月 福岡市