今山遺跡(いまやまいせき)

■今山遺跡(いまやまいせき)

 今山は糸島平野の東の端に位置し、玄武(げんぶ)岩と花崗(かこう)岩からできた標高82mの山です。

 1924年(大正13)に中山平次郎博士によって、玄武岩を使って石斧(せきふ)の制作を行った山として紹介されて以来、多くの調査や研究が行われた有名な遺跡です。

 製作された石斧は、主に太形蛤刃(ふとがたはまぐりば)石斧と呼ばれる大型の磨製石斧です。

 今山では玄武岩を割り、打ち欠いて全体の形を整える作業を行い、磨きあげるのはそれぞれの「むら」で行ったようです。

 今山で制作された石斧は、弥生時代前期前半から中期(今から約2300~1900年前頃)にかけて、現在の福岡県・大分県・佐賀県・熊本県にかけて行き渡っており、今山のある地域(後の「伊都国」)が他の地域に商品として供給されたものと考えられます。

 以上のことから、今山遺跡は弥生時代の石斧制作技術と交易を考える上で、重要な遺跡であるといえます。

 文化財を大切にしましょう。

 福岡市教育委員会

 今山遺跡