■玄洋句会 当季雑詠
母知らぬ我に群れ咲く母子章 諸岡 純子
手を振れば振り返しくる駅長閑(のどか)
波の禿(ほ)の力漲る初夏の灘 石井 靖子
みずみずし少女の髪よ緑立つ
舟唄へ笠へ水棹へ柳絮舞ふ 遠入 英子
長閑しや白秋生家へ橋幾つ
五月憂しわが故郷の壊れゆく 荻野 春子
被災地に連なり舞ふや鯉幟
雀等にしてやられたるさくらんぼ 新藤 房江
風亘(わた)るかじかもと橋夏に入る
バイクの娘茶髪遊ばせ風光 原井みえこ
すみずみまで真青なる空夏来る
晩秋から初夏の自由句です。4月14日、悪夢のような大地震が熊本を襲い、未だに余震が続いております。早期の復興を祈るばかりです。
(春)