■うわごと
熊本地震が続いている。
4日現在で、震度1以上の自身が1087回発生しているとのことだ。過去に例を見ない多さの地震である。犠牲になられた方も49名を数えている。
地震にあわれた方にどんな言葉をかけていいか解らない。
事実かどうか定かではないが、東日本大震災時の救助隊員の話として聞いた事がある。
倒壊した家の瓦礫に埋もれた女性の遺体を発見した。倒壊した家屋は彼女の頭と背中にのしかかっていた。
しかし、遺体は膝立ちで、あたかも祈りを捧げているような姿勢で何かを包み持っていた。
彼女の死を確認し、次に向かおうとした救助隊員がひじの下の小さな隙間に手を入れて叫んだ。「子どもだ。子どもがいる」と。
花柄の布に包まれた小さな男の子が静かに眠っていた。
その女性の立ち膝の姿勢は、明らかに子どもを守ろうとした自己犠牲の姿であった。
赤ちゃんが包まれた布の中に携帯電話があった。そのスクリーンには、
「もし、あなたが生き残れたなら、わたしがどれだけあなたを愛していたか、どうか覚えていてね」との文字があった。
この様な悲しく、崇高な話を聞くのは一度でいいと思う。
何に祈ればこの様な悲しい話を聞かなくて済むのであろうか。災害に対する心がけを再考する時期なのであろう。
犠牲者の皆様の冥福を祈る。