■コーヒーブレイク
朝のラッシュもひと段落した午前9時半、計画よりも随分遅くに目的地に到着。20台は停めれそうな駐車場に幸運にも僅か2台分の空を見つけ、先に次女を降ろしてゆっくり駐車した。
ここは熊本県熊本市、娘たちが小さい頃から通うアレルギー専門の皮膚科医院である。今日は肌の調子が悪い次女を、正月明け早々2時間かけてつれてきたのだ。
ほどなく受付を済ませた次女が戻ってきた。「39番」「今何番?」「14」診療時間は9時からだが8時半には始まったりするので、ひとり5分としても2時間待ち。
それでもこの時間に到着なら上出来と思いきや「38番から午後になるので14時からだって。45分には来とかんといかんらしい」
はい?つまり4時間半待ち?明朝6時には家を出るはずが、なかなか起きない次女と家を出たのは7時半。昨夜選択を済ませ、今朝は5時起きで留守番する家族の昼ご飯も用意したというのに。
憮然とする私に空気を読んだ次女は「アイス奢らせていただきます」ほお、食べ物できたか。
とりあえずは近くのファミレスで朝食を取り、読書や仕事をして時間をつぶす。これが2時間待ちはザラな、ここに来たときのお決まりのパターンだ。
そもそもなぜこうまでしてこの皮膚科に通うのか?元々は幼児期にアトピー性皮膚炎を発症した長女が、こちらでお世話になったのが始まり。もう15年以上になる。
アレルギー反応を引き起こすアレルゲンは人それぞれならその治療法も様々で、結果自分に合った病院や治療を探し当てるのが難しい。
長女もいろんな病院をまわり、小学4年生の頃に漢方オンリーの病院にかかったときは、脱ステロイドの結構な荒治療で、夏休みの間寝たきりになるほどの強烈なリバウンドを体験した。
5年生の頃に出逢ったのが、漢方医学と西洋医学の両方で診てもらえる今の病院である。これから思春期だし顔だけでも少し抑えたいとお願いすると「ステロイド無しでこの程度なら大丈夫。漢方だけで十分です」以来、後にアトピーが出た次女もここでお世話になっている。
昼近く、客が増え始めたファミレスを出た。熊本城や水前寺公園も、肌寒い今日は行く気になれない。ドリンクバーのせいでお腹はいっぱいだが、どこか温かいカフェにでも入りたい。
器用にスマホで店を探し歩く次女の後ろに付いて歩いていると、病院の裏手に小さな古びた商店街を見つけた。こんなところに商店街があったなんて15年目の大発見だ。しかもあその名が”子飼商店街”その由来が気になるところだ。
八百屋さんに果物屋さん、さらに奥に進むと夫の好きな辛子レンコン専門店を発見。そうだ、ここは熊本だったとお土産に一つ買ったら、何となく観光に来たような気分になってきた。
さらに進むと、明らかに周りから浮いている新しいカフェを見つけ美味しいランチをいただいた。次女がにっこり「結構楽しいよね」あ、アイスはWでお願いします。
(A)
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■今宿タイムズ平成28年(2016年)2月1日 第401号
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