■「筑前今宿歴史かるた」から今宿の歴史を学ぶ 11
今回は三首のかるたをご紹介いたします。
今宿交番から旧道を渡って海岸へ行く道筋(今宿1丁目)に小さなお堂が建っています。これが「乳母地蔵」です。この土地は昔、「油屋(石橋家)」と呼ばれた豪商の屋敷があった場所です。
この地蔵堂は当時油屋に奉公していた乳母が不幸な死を遂げ、その霊を弔うために建てられたと云われていますが、その由来はよく判っていません。
読み札の中にはお供え物が牛乳とありますが、実際に地蔵に牛乳を供える風習はなく、これはかるたの読み札を作った人が、乳母から牛乳を連想したものと思われます。
この二首の読み札はいずれも二宮神社で行われる祭事を読んだものです。二宮神社は今宿駅から近く、唐津街道沿いにあります。二宮神社にある立札を読むと「この神社は1711~1715年に今宿五郎江(現在の今宿小学校辺り)にあったものをこの松原に遷座。主祀神は埴安神…」とあり、300年程前にこの地に祀られたことがわかります。
夏越祭りは茅(ち)ガヤで作った輪をくぐることから輪越祭りとも云われ、旧暦6月晦日に行われる夏越の祓い(*注)のことです。輪をくぐることで、身のけがれを祓い、様々な災難を防ぐことができると考えられてきました。
二宮神社では毎年、7月29日に夏越し祭り(輪越祭り)が行われます。参道に露店が立ち並び、鳥居には大きな茅野輪が設置され、参拝の人々で賑わいます。また、福岡市西区では宮浦にある「北崎三所神社」、姪浜の「姪浜住吉神社」も同じように夏越祭りを行っています。
「玉せせり」は正月3日に行われます。玉せせりといえば筥崎宮が有名ですが、二宮神社の玉せせりは子どもが主役で行われます。冬の寒い中、初めに木の玉はあ神社裏の海で清められ、赤ふんどしの子ども達がその大きな玉を持って町内を回ります。
今年の玉せせりは終わりましたが、夏越祭りはこれからです。7月29日に境内の輪をくぐって無病息災を祈念してはいかがでしょう。
(注)1年を2つに分けた昔の考え方では、6月晦日は12月晦日に対応して年の前半の最終日にあたる。神に年の前半の無事を感謝し、また後の半年の間の無事を祈るための祓いの日と考えました。
*できるだけ、かるたの読み札順にご紹介していますが、今月のように同じ場所等を読んだかるたについてはまとめてご紹介しています。
(田中)
参考文献
西区は歴史の博物館
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