コーヒーブレイク

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■コーヒーブレイク

 「お疲れ様です」と職場を出て駐車場に向かう間、携帯電話をチェックする。次男からの着信記録だ。1人暮らしになって1年「声が聞きたくて」なんて筈はない。

 とりあえず帰宅して電話を折り返した。「あ、お母様。お願いがあるのですが。」こんな丁寧語の次男は怪しき事この上なし。

 「先輩の追い出し会がありまして予定より大きい出費でしたので、少し振込んで頂けないでしょうか。」

 翌週はバイト代が入る筈だ。今幾らあるのか尋ねると「2万7千円です。」との事。それだけあればいいだろうと思わずツっこむ。息子なりの計算がづれて少し不安を感じたのだろう。

 それに比べると長男は、時々単発でバイトをするだけの貧乏大学生だった。こちらからかけた電話の最後に付け足した「ところでお金は大丈夫?」の問いに「平気平気まだ680円あるから」と信じられない余裕を見せたものだ。

 東京で680円で過ごす勇気はすごい。この兄弟のこの違いは何だろう。同じ一人暮らしちう環境で洋服や生活雑貨をそれなりに買い3ヵ月おきに美容院に行く次男とおそらく衣類はパンツ一枚すら自分で買った事がなく、散髪は1000円カットの長男の給料は、本とゲームと飲み代に費やされる。

 それでもこの1年、何度か次男に会いに行ってくれるようだ。

 「兄ちゃんて有り難いね」と回転寿司をおごってもらって末っ子はホクホクしている。

 桜の季節、車での移動はなるべく桜の咲く道を選んで運転する。去年は次男の入学式で訪れた横浜で運よく桜まつりに遭遇した。

 桜木町から橋8つ分の大岡川沿いにびっしり咲いた夜桜は見事だった。

 あれからもう1年。小学校の時退屈する程長かった1年が、焦りを感じる位早く過ぎて行く。

 6歳の子どもの6年分の1年と私の52年分の1年では時間の感覚が異なるのは当たり前かもしれない。

 今年の桜が春の嵐に舞った日、「息子に甘いね」という娘の苦笑い愛想笑いを返して次男の口座に少しだけ振込んだ。ため息と共に。

 卒業まであと3年。この3年だけは、あっという間に過ぎてほしい。そして今日も私は、息子達に電話する名目を探しているのだ。

(R)

 

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★今宿タイムズ第404号 平成28年(2016年)5月1日

間もなく落成式 新玄洋公民館の紹介
新任挨拶 玄洋公民館館長 松本 清訓(きよのり)
玄洋校区 各種団体役員交流会
ピッカピカの1年生 今宿小学校 第130回入学式
玄洋・今宿校区「子ども会育成会」入会のお願い
今宿校区 第3回 チューリップ祭り
待ちに待った1年生 玄洋小学校入学式
うわごと
先生たちの異動
新任ご挨拶
着任挨拶 JA福岡市今宿支店 支店長 典略 和久
「筑前今宿歴史かるた」から今宿の歴史を学ぶ 23
春は「さくら」も健康診断!
コーヒーブレイク
第10回「なまず会」七寺川清掃活動
今月の男女共同参画 42話
今宿五行歌会(自由)
ご芳志の御礼