■「筑前今宿歴史かるた」から今宿の歴史を学ぶ18
3世紀後半から7世紀末までの約400年の間、日本各地に巨大な前方後円墳を始めとする様々な古墳が数多く築造されました。
今宿でも高祖山北麓に分布する今宿古墳群と呼ばれる320基以上の古墳が確認されています。
そしてその中には、この地域を治めていた首長の墓と考えられる前方後円墳が13基あります。今回の鋤埼古墳もその中のひとつです。
かるたの読み札にある「堤より…」の堤ですが、今宿近辺では農業用ため池の事をいいます。今宿大塚古墳より東に約1.2キロ、七身坂池(ため池)の西側のこんもり繁った森が鋤埼古墳です。
1982年~83年にかけて福岡市の調査が行われました。造られたのは4世紀末から5世紀初頭。墳丘の大きさは全長62メートル。前方部、後円部とも三段に築かれていて、墳丘の斜面には葺石があり、斜面のテラス部分には埴輪が立てめぐらされていました。
鋤埼古墳の大きな特徴は最も初期の横穴式石室を持っていることです。石室は板状の玄武岩を積み上げて造られた特殊なものです。
それまでの古墳は竪穴式石室で一度棺を納めた後、大きな石(天井石)で石室を塞げばもう二度とあけることはできませんでした。
しかし、横に穴を開け墳丘の中心部に向かって石室が広がる横穴式では入り口の石(閉塞石(へいそくいし))や土を取り除けば、後でも出入りできるので追葬することができます。
鋤埼古墳にも材質の違う3つの棺(石棺、木棺、埴棺)が納められていました。
しかし、竪穴式から横穴式への移行期のため、慣れない作業で構造に不安定な所があったようです。柱状の玄武岩を支柱(つっかい棒)に使ったりして当時の人々の苦労が分かります。
完成度も高くなかったのでしょう。比較的古い時期に石室の天井石が崩落。そのため既に盗掘されたと思われたのか珍しく未盗掘墓で副葬品も多く発見されています。
現在、石室は埋め戻されていますが、石室の実物大レプリカ、出土遺物は福岡市博物館で見ることができます。
参考文献
「西区は歴史の博物館」
「福岡市博物館展示室解説」
(田中)
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