コーヒーブレイク

■コーヒーブレイク

　近年、秋になるとかぼちゃのお化けやコウモリなどのハロウィンの飾りをよく見かける。ハロウィンは古代ケルト人が起源とされる祭りで、もともと秋の収穫を祝い、悪霊をなどを追い出す宗教的意味があるらしい。

　でもさすが八百万（やおよろず）の神の国である日本、人々はクリスマスと同様に、単なる季節の行事として受け入れたようだ。

　オレンジ・黒・紫といった派手な色彩とユーモラスなお化け。子どもにはなりきりコスチュームや「お菓子をもらう風習」もとても魅力的に違いない。

　小さな子どもはいないが陽気な気分を味わおうと、少しだけかぼちゃのお化けの置物を飾った。脇役にはコウモリ。コウモリなんて飾らなくても、家の外に飛んでいるが。

　え、コウモリがいるの？と思われた方、夕方空を見上げてみてほしい。少なくとも私が住んでいる横浜界隈には、どこから飛んでくるのかコウモリが、ひらひらと蝶のようにフツーに飛んでいる。

　もう20年ほど前の台風が接近したある晩、急いで雨戸を硝子窓を閉めた際、頭上にいくつかの黒い塊が見えた。何？硝子越しのそれが、コウモリと分かったときの衝撃！もう声など出ない。

　ずっと気になっていたのだ。どうして雨戸の内側のそれも高い所に糞らしき物があるのか。その答えはこれだったのだと納得。

　これ以上ない緊張感を持ってコウモリと一晩過ごした翌日、動物園に「コウモリがいなくなる方法ありますか」受話器の向こうで軽く「臭いの強い衣類用の防虫剤を置くといいですよ。でも殺さないでくださいね・コウモリも生き物ですか」さすが動物園の職員さん、コウモリにも寛容である。

　でも殺すなんて別の意味で出来ないでしょ。下手に刺激して、もしも部屋に入って飛び回ったりしたらどうするの。仮に殺せたとしてもその亡骸を片付けるなんて、想像しただけで身震いがする。

　先日近くのホームセンターで「コウモリ忌避スプレー」なる商品を買った。

　ベランダの住みに例の糞を見つけたからだ。こんな物がしれっと売っているあたり、それなりに需要があるわけね。

　ハロウィンの飾りに可愛いコウモリは欠かせないが、本物はご勘弁。

（Ａ）

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■今宿タイムズ平成27年(2015年)11月1日第398号