■栞シリーズ 歴史の町今宿11
「二宮神社と亀井少栞(かめいしょうきん)」
二宮神社は、元々は谷村の埴安神社を期限としている神社です。谷村から今宿への分村が進み、埴安神社から分霊され、唐津街道沿いのこの場所に埴安命(ほこやすのみこと)を始め、天穂日命(あまほのひのみこと)、大田命(おおたのみこと)、事代主命(ことしろのみこと)の4つの祭神が祀られています。
この神社の境内に建てられている略縁起によると、昔、五郎江南崎(今の今宿小の辺)に鎮座していましたが、正徳年中(1711~1715)にこの松原に遷座したとあります。
この神社の側に住んでいたのが亀井少栞(1798~1857)という女性です。少栞の祖父は亀井南冥という医師で儒学者でした。非常に優秀なため、士分に取り立てられ福岡藩藩校甘棠館(かんとうかん)の初代館長になった人です。甘棠館は福岡藩校として天明4年、西新にある修猷館(当時は赤坂)と同じ年に開校しました。しかし、4年後に大火に遭い焼失。幕府より出された「寛政異学の禁」の政策で朱子学が主流になったことも災いし、残念ながら甘棠館は再建されませんでした。
また、この南冥は志賀島で見つかったとされる金印の価値をいち早く見抜き保護するよう黒田藩に訴えたことでも有名です。南冥の子、昭陽も父と同じ、医学と漢学に優れ、姪浜に「亀井塾」を開き、多くの門弟を集めました。この昭陽の娘が少栞です。少栞は大変な美人で、詩才は父をも凌ぐほどで書画にも優れ、父の塾の門下生達から人気の的でした。そんな門下生のひとり、怡土群井原村から入塾した三苫源吾(号を雷首)が少栞に恋文を送りました。
「…君に王上の点なくんば、われ出頭の天とならん」
王の字の上に点を書くと主(主人の意)となります。また、天の字の上に点を書けば夫という字になります。もしあなたに主人になる方が決まってなければ、私が夫になりたいという詩を詠んだのです。これに対して少栞も熱烈な歌を返しました。後、2人は夫婦になり、亀井塾の跡を継ぎました。
父亡き後、塾を今宿に移しましたが、その後も塾は大いに栄えたと伝えられています。二宮神社内の案内板で亀井少栞作の於多福図を見ることができます。
参考文献「糸島伝説集」
*玄洋公民館入口には、横町在住の赤瀬氏が作成した栞が置いてあり、誰でも持ち帰ることができます。この栞には草花や銘木、タイムズでご紹介した今宿の歴史など様々な趣里があります。公民館に立ち寄られた際は、一度ご覧ください。
また、栞シリーズ「歴史のまち今宿」は今回で終了いたします。ありがとうございました。
(田中)
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■平成25年(2013年)10月1日 第373号
・福岡市が新たな見守り推進プロジェクト事業開始
・第2回 原子力防災研修会
・ストップマーク(路面シール)の貼付作業
・今宿校区スポーツフェスタ
・玄洋校区体育祭
・玄洋小学校PTA成人教育講演会
・西松原一丁目町内が防災避難訓練を実施
・視覚障碍者福祉フェスティバル
・文化祭
・今月の男女共同参画
・うわごと
・玄洋校区 子どもリーダーキャンプ
・今宿校区 子どもリーダーキャンプ
・玄洋小学校交通安全 横断幕標語決定
・栞シリーズ 歴史の町今宿11
・西区親善親子ソフトバレーボール大会
・玄洋中部活結果
・今宿花火大会 フォトコンテスト審査発表
・全国大会出場の夢・実現
・珍しい花 ドラゴンフルーツ
・健康コーナー 目にも定期検診を
・コーヒーブレイク
・ファミリーコンサート
・玄洋句会 白粉花(おしろいばな) 秋夏し
・ご芳志の御礼